IoTの3要素「モノ・ネットワーク・クラウド」が体験できるワークショップです。
スマートフォンを「モノ」に見立ててデータを送信し、SORACOM の通信を経てクラウド上にデータを蓄積します。パソコンとスマホがあれば参加いただけます。
本ワークショップで体験いただけるのは2つです。
VPN によって、IoT デバイスと SORACOM 間を安全につなげるサービスが SORACOM Arc (ソラコム アーク) です。
SORACOM プラットフォームには、後述するデータ蓄積や変換、転送等、IoT 開発で便利な機能があります。これらのサービス活用の前提には、IoT デバイスと SORACOM プラットフォーム間が、安全につながっていることが求められます。
LTEや5Gといったセルラー通信や、SigfoxといったLPWA通信は、通信自体が暗号化されているため、IoT デバイス上の実装において通信セキュリティの考慮は不要です。一方で、構内 LANや Wi-Fi のアクセスポイントから先のネットワークは暗号化されていない事が多く、アプリケーションで個別にセキュリティ対策(例:TLS)をする必要があり、IoT で利用するにはセキュリティの設計が不可欠です。
SORACOM Arc は、IoT 向け VPN サービスです。
技術的にはオープンソースの VPN 「WireGuard」を利用します。軽量であるため、組み込みデバイス向け実装も存在します(lwIP 向け実装、lwIP実装を基にしたESP32 向け実装)。WireGuard 自体の仕様解説はブログ(オープンソースVPN 「WireGuard」とは?ホワイトペーパーから読み解く仕組みや実用性)もご覧ください。
SORACOM プラットフォーム上で発行できる「バーチャル SIM」には、接続に必要な認証情報が入っています。また、SORACOM プラットフォーム上では SIM として取り扱えるため、SIMや Sigfox等で使える SORACOM プラットフォームの機能がシームレスに利用できます。これにより、Wi-Fi 等の非暗号化ネットワークから SORACOM プラットフォームに安全に接続し、IoT 向け機能が利用できるわけです。
IoT デバイスからのデータの収集や蓄積、およびファイルを保持できるサービスが SORACOM Harvest (ソラコム ハーベスト) です。
IoT では特にデータ活用が重要です。デバイスからのデータをいち早く確認したいという要望に対し、利用するクラウドが決まっていない、決まっているが準備が整わないために、開発スピードが滞る事があります。
SORACOM Harvest は、 SORACOM 上のデータ収集・蓄積サービスです。
SORACOM のアカウントを持っている時点で即座に利用いただけます。機能のON/OFFはオンライン上で行うことができ、契約は1日単位であるため、開発時の必要時に絞って利用できます。
SORACOM Harvest は蓄積するデータの種類によって2つの機能があります。
IoT デバイスからのデータの収集・蓄積に対応しているのが SORACOM Harvest Data、画像ファイルやログファイルといったファイルに対応しているのが SORACOM Harvest Files です。
次に進みます。
本ワークショップを行うためには、以下の準備を行ってください。
以下は、ワークショップ当日までに準備を済ませておいてください。
ワークショップ中でも行うことは可能ですが、時間の考慮はされていないため、時間内に作業を終える事ができない可能性があることにご留意ください。
# | 備考 |
SORACOM アカウントの作成 | SORACOM アカウント (オペレーター) を作成するを参考に、作成を済ませてください。 |
以下は、ワークショップ当日の持ち物です。
# | 備考 |
パソコン | ワークショップテキストを閲覧したり、SORACOM ユーザーコンソール (Web管理画面) の
|
スマートフォン | iOS 15以上、Android OS 10以上 |
SORACOM アカウント | 事前準備で作成したSORACOMアカウントです。 |
次に進みます。
VPN ソフトウェア「WireGuard」と「SORACOM Arc」のセットアップを行います。
セットアップの順序は以下の通りです。
次に進みます。
SORACOM Arc で SORACOM プラットフォームに接続するための VPN ソフトウェア「SORACOM Arc」をスマートフォンへインストールします。
App Store から「WireGuard」を探してインストールしてください。以下の QR コードをカメラアプリで読み込んでもインストールできます。
Google Play から「WireGuard」を探してインストールしてください。以下の QR コードをカメラアプリで読み込んでもインストールできます。
WireGuardに設定する接続情報をSORACOMから入手します。接続情報は「バーチャルSIM」をSORACOM上で作成することで生成されます。
SORACOM アカウントにログインからログインをします。
「切り替える」をクリックしてください。
以下のように「サブスクリプションコンテナに対応した新しい SIM 管理画面をご利用中です。」と表示されていることを確認してください。
※既に「新しい SIM 管理画面をご利用中です。」となっている場合は、次のステップに進んでください。
iOS 、 Android OS 共に同じ操作です。画面は Android OS となります。
ここでは「SORACOM-Arc」としています。
例えば「Virtual SIM
」といった名前を入力して、リターンキーで確定します。
次に進みます。
設定がうまく進まないときにご覧ください。ここまでの作業が出来ている場合は次に進んでください。
運営スタッフにご相談ください。
作業2では、データを SORACOM Harvest Data に蓄積して、そのデータを確認します。
手順は以下の通りです。
次に進みます。
SORACOM のサービスを利用するためには、SORACOMのWeb管理画面「SORACOM ユーザーコンソール」(以下、ユーザーコンソール)へログインします。
SORACOM アカウントにログインからログインをします。
すでにログインしている場合は、次のステップに進んでください。
バーチャル SIM を確認します。
次に進みます。
SIM グループを作成してから設定を行い、バーチャル SIM を所属させます。
SIM 一覧が表示されていなければ、[メニュー]→[SIM管理]と進んで、SIM一覧を表示するようにしてください。
設定名 | 値 | 備考 |
グループ名 |
| 値は任意(自由に設定可能)です。 |
自動的にSIM 管理画面へ戻ります。バーチャル SIM に、先ほど設定したグループ名が割り当てられていれば成功です。
設定名 | 値 | 備考 |
(なし) | ON にする | 初期は OFF |
このあと表示される「SORACOM Harvest Data が有効になっています」では、内容を確認の上[OK]をクリックしてください。その後「保存しました」と表示されたことを確認してください。
以上で、データ蓄積に関する設定は完了です。
この時点では、IoTボタンからはデータ未送信であるため「データが見つかりません」と表示されますが正常です。
自動更新をONにしておくことで、新しく蓄積されたIoTデータを自動表示できるようになります。
データが着信次第、この画面にデータが表示されます。
次に進みます。
App Store から「API Tester: REST HTTP Client」を探してインストールしてください。以下の QR コードをカメラアプリで読み込んでもインストールできます。
Google Play から「API Tester - REST HTTP Client」を探してインストールしてください。以下の QR コードをカメラアプリで読み込んでもインストールできます。
WireGuard を開いて、先ほど作成した設定のスイッチをタップします
"VPN" というラベルがステータス行に表示されます。
表示された画面では、以下のように設定します
URL |
| 標準では https:// となっているため、削除してから http:// としてください |
Body | Raw | |
Content Type |
| BodyでRawを指定すると自動的に設定されるため、変更は不要です |
Post Data |
|
右上の実行ボタンをタップします
No response message
と表示されれば成功です。(SORACOM Harvest Data は HTTP 204 のみを返却し、返却データは存在しないためです)
次に進みます。
データが SORACOM Harvest Data に表示されていることが確認できます。
SORACOM Harvest Data では、データをグラフ形式にしたり、位置情報に該当するデータがあれば地図へのマッピングもできます。
{"lat": 43.068585, "lon": 141.350711}
{"lat": 39.700840, "lon": 141.137186}
{"lat": 37.912030, "lon": 139.061920}
{"lat": 35.681325, "lon": 139.767144}
{"lat": 35.170787, "lon": 136.882318}
{"lat": 34.350737, "lon": 134.046762}
{"lat": 33.589970, "lon": 130.420512}
{"lat": 26.217142, "lon": 127.719352}
{"lat": 35.658745, "lon": 139.741459}
以上で、作業2「IoTボタンのデータを、データ収集・蓄積サービス "SORACOM Harvest Data" で確認」を達成しました。
WireGuard を開いて、ONになっているスイッチをタップします。
iOS なら "VPN" ラベル、Android なら鍵マークが無くなっていることを確認してください。
SORACOMサービス内の設定削除、セットアップしたソフトウェアのアンインストールは自身で行ってください。
今回設定したSORACOMサービスは、以下4点です。
SIM グループを削除するには、SIM グループ内の SIM をすべて解除する必要があります。
グループからの解除を参考に、バーチャル SIM を SIM グループから解除して、SIM グループを削除してください。
SIMグループ内の設定内容は、削除完了時点ですべて無効化されます。SIMグループの復活はできません。設定内容のバックアップが必要であれば、削除前にメモを取ってください。
SIMグループ自体の保管は無料です。
SORACOM Harvest Data は、データ保存から40日を超えると自動的に削除されます。また、データ保管料は無料です。よってこのままでも特に困りませんが、データの整頓を行いたい場合は、能動的に削除が可能です。
データの復元はできません。ご注意ください。
バーチャルSIMの解約は、通常のSIMの解約と同じく、SIMを選択後、画面上部の[操作 ▼]をクリックし、[解約]をクリックします。
問題なければ、そのまま[解約する]をクリックしてください。
SIM一覧からバーチャルSIMがなくなっていればOKです。
OS 標準のアンインストール方法で削除してください。
ここで記載している金額はすべて税込、送料別となります。
SORACOM Harvest Data を始めとした SORACOM プラットフォーム利用料は後述の通りかかります。
サービス/機能 | 料金 |
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※ 費用詳細はリンク先をご確認ください。
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また、本テキストのアイデアはSOARCOM ユーザーグループ(UG)の皆様のご協力によるものです。この場を借りてお礼申し上げます!
SORACOM UGは「IoTの仲間が集まるコミュニティ」です。どなたでも参加いただけます。日本各地での支部の開催や、オンラインイベントにぜひご参加ください!
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