本テキストは Wio LTE を開発する際に必要な環境を Windows 上に構築する手順です
準備するもの
- パソコン / 1台
- インターネットに接続できる環境
- USB Type-A ポートが最低1つ以上あり、利用可能なこと
- 電力供給が1A以上であること (USB 3.0対応していれば概ね安心です)
- OS: Windows(8.1 もしくは 10)
- ※ソフトウェアをインストールするため、PCに対する管理者権限を持っている事 と ブラウザでのアクセス制限がかかっていない事
開発環境構築の手順
Windows 上で Wio LTE を用いた開発を行うための環境準備を行います
- Arduino IDE
- Wio LTE を扱えるようにする定義のインストール
- Wio LTE ライブラリのインストール
- Virtual COM Port ドライバ
- WinUSB ドライバ
手順書に沿った開発構築手順は動画でもご覧いただけます。そちらもあわせてご覧ください。
1. Arduino IDE
Wio LTE の開発(ソースコード記述、コンパイル、バイナリファイル転送)には、Arduino IDEを利用します。
1-1. Windows 10 の設定を確認する
Windows 10 の方は以下の手順を行ってください。それ以外のバージョンの方は “ダウンロード” へ進んでください。
[スタートメニュー] > [設定] > [アプリ] > [アプリと機能] > [アプリを入手する場所の選択] を開き、 場所を選ばない を選びます。(すでに選択されている場合は次に進みます)
※ “Microsoft Store のみ” となっている場合、 Microsoft Store 版 Arduino IDE が強制的にインストールされ、本ハンズオンを進めることができません。
1-2. ダウンロード
Arduino のサイトから Arduino IDE をダウンロード し、表記に従ってインストールしてください
ダウンロードの手順
ダウンロードページの Windows Installer をクリックします。
(”Windows app” は使用しないため、クリックしないでください)
次のページでは JUST DOWNLOAD をクリックしてください。
(隣のリンクをクリックした場合はバックボタンで戻ってから再度 JUST DOWNLOAD をクリックします)
1-3. インストール
ダウンロードした EXE ファイルをダブルクリックしてセットアップを開始してください。
- インストール中の各ダイアログは、以下のようにしてください。
- Installation Options → すべて選択
- 「このデバイスソフトウェアをインストールしますか?」 → 3 回とも全て [インストール]
- “Completed” になったら [Close]
※スタートメニュー内、もしくはデスクトップ上の Arduino が「Arduino IDE」です。これをダブルクリックで Arduino IDE を起動することになります
2. ボード定義のインストール
Wio LTE を Arduino IDE で扱えるようにするための機能を追加します
2-1. Arduino IDE を起動する
スタートメニュー内の Arduino をダブルクリックします
※ Arduino IDE の起動時に「Windows セキュリティの重要な警告」が表示された場合は、以下のようにしてください。
- プライベート ネットワーク → チェックをつける
- パブリック ネットワーク → チェックをはずす
- [アクセスを許可する] をクリック
2-2. Arduino IDE の [ファイル] > [環境設定]
下記URL (https:// から .json まで) を 設定タブ にある 追加のボードマネージャのURL: へ入力して、保存をクリックします
https://www.seeed.co.jp/package_SeeedJP_index.json
2-3. メニューの [ツール] > [ボード] > [ボードマネージャ]
一覧の中から SeeedJP STM32 Boards by Seeed K.K. を選択しインストールをクリックします
※ wio lte
で検索すると見つけやすいです
※ [DEPRECATED]
となっているボードは選択しないでください
※ バージョンの表示は 1.3.0
となっていますが、インストール時の最新バージョンを選択するようにしてください
※ インターネットから必要なファイルをダウンロードしながらインストールされるため、ネットに接続した環境で行ってください
※ 約 350MB 分のダウンロードとファイルの展開が行われるため、 15分~1時間 くらいかかることがあります。受講当日に行うと時間が不足する可能性がありますので事前に済ませるようにお願いします
3. Wio LTE ライブラリのインストール
実際のプログラム(Arduino では スケッチと称します)で Wio LTE が使えるようにするライブラリを追加します。
3-1. Arduino IDE を起動する
起動している場合は次に進みます。
3-2. Arduino IDE の [スケッチ] > [ライブラリをインクルード] > [ライブラリを管理…]
一覧の中から Wio LTE for Arduino を選択しインストールをクリックします
※ wio lte
で検索すると見つけやすいです
※ バージョンの表示は 2.9.0
となっていますが、インストール時の最新バージョンを選択するようにしてください
※ インターネットから必要なファイルをダウンロードしながらインストールされるため、ネットに接続した環境で行ってください
4. Virtual COM Port ドライバ
Wio LTE のシリアルポートを PC で認識するためのドライバです。
4-1. Virtual COM Portデバイスドライバーのインストール から stsw-stm32102.zip
をダウンロードします。
4-2. ダウンロードした stsw-stm32102.zip
内の VCP_V1.4.0_Setup.exe
を実行します。
※ stsw-stm32102.zip
の中に、さらに en.stsw-stm32102.zip
があり、その中に VCP_V1.4.0_Setup.exe
があります。
ここから「インストーラーのような画面」が表示されますが、これは インストーラーではありません 。この後の手順を必ず実行してください。
4-3. スタートボタンを右クリックして [ファイル名を指定して実行] をクリックした後、 [名前] へ以下のファイル名を入力して [OK] を押します。
C:\Program Files (x86)\STMicroelectronics\Software\Virtual comport driver\Win8\dpinst_amd64.exe
※ 上記ファイル名は Windows 10 / 8.1 / 8 で 64 bit の場合です。 Windows 7 の場合、また、32 bit の場合は Virtual COM Portデバイスドライバーのインストール を参照して、バージョンに合ったインストールファイルを実行してください。
ファイル名の指定に成功していれば、以下のようにドライバがインストールされます。
※ バージョンが異なる等のエラーが表示された場合は、Virtual COM Portデバイスドライバーのインストール を参照して、バージョンに合ったインストールファイルを実行してください。
5. WinUSB ドライバ
Wio LTE にプログラムを書き込む際に必要なドライバです。
5-1. Zadigサイト の Download にある Zadig 2.5 をクリックして zadig-2.5.exe
をダウンロードします
※ 上記でダウンロードできない場合は ここからダウンロード してください
5-2. zadig-2.5.exe を起動する
※ 最初に表示されるダイアログ(Zadig update policy)は [No] としておいてください
5-3. zadig-2.5.exe の [Options] > [List All Devices] を選択する
5-4. Wio LTE を DFUモード に切り替えます
ここからは Wio LTE 本体が必要です。 Wio LTE 本体が無い場合はここで終了です。後日、Wio LTE 本体を入手した後に、ここから再開することになります。
「DFUモード」への切り替え方
Wio LTE に microUSB を挿した状態(電源ONの状態) にしてから、下記操作を行います。
- BOOTボタン を押し、 押し続けてください
- RSTボタン を押し、離します
- 押し続けていた BOOTボタン を離します
DFU モードへの移行方法
※動画では microUSB 接続をしていませんが、実際は接続した状態で行ってください
5-5. 一覧から STM32 BOOTLOADER を選んだ後、Driver欄の左が STTub30 になっていることを確認し、右を WinUSB に変更してから、 Replace Driver をクリックします
※ STTub30 ではなく (None) と表示されることがあります。その場合は一度 Zadig を終了した後、 1~2 分待ってから「5-2. zadig-2.5.exe を起動する」からやり直してください。
STM32 BOOTLOADER
が一覧に表示されない場合はDFU モードへの移行へ失敗しています。(Wio LTE 本体がない場合も同様に表示されません)
「DFU モードへの切り替え方」を再度行ってください。(成功すれば一覧に表示されます)
Replace Driver が失敗する時は PC への管理者権限、インターネット接続を確認してください。
※ zadig-2.5.exe
は必要なファイルをインターネットから入手することがあります。アンチウィルスソフトによっては、不定のソフトウェアからの通信をブロックするものがあるため、通信設定を管理者に確認するようにしてください。
以上で、事前準備は終了です
元のページに戻り、インストール状態の確認を行って下さい。