SORACOM LTE-M Button を AWS IoT 1-Click に登録して、メールを使い動作確認
SORACOM LTE-M Button が使えるように AWS IoT 1-Click に登録した後、動作確認のためにメールを送ってみましょう。
準備
- SORACOM LTE-M Button を手元に用意してください
AWS IoT 1-Click 「テンプレート」「プレイスメント」
AWS IoT 1-Click ではボタンと Lambda 関数を結びつける概念として「プレイスメント」と「テンプレート」そして「プロジェクト」が存在します。これらを全て作成したうえで、それぞれボタンと Lambda 関数に結び付けていきます。
以降の作業は全てこの構成を作っていく事になります。
作業1: AWS IoT 1-Click へ SORACOM LTE-M Button を登録する
AWS マネジメントコンソール を開きログインしたあと、リージョンを “オレゴン” に変更し、 AWS IoT 1-Click のコンソールを開きます。
AWS IoT 1-Click のコンソールから [デバイスの登録] をクリックします。
SORACOM LTE-M Button の電池カバーを開けて DSN を AWS IoT 1-Click に入力し [登録] をクリックします。
- DSN は文字が非常に小さいですが、頑張って読み取ってください (助け合ってください…)
オー
と 数字の0 、アイ
と 数字の1 などが間違えやすい文字です
- スマートフォン向けアプリであれば QR コードを読み取ることで登録も可能です。その方法は Getting Started with SORACOM LTE-M Button をご覧ください
SORACOM LTE-M Button からのボタン押下を待ち受ける状態になります。このタイミングで SORACOM LTE-M Button のボタンを1回押してください。
- LED が赤点灯 (= データ送信失敗) だった場合は、再度ボタンを1回押してください
登録済みになりましたら [完了] をクリックします。
以下のようにデバイス一覧が表示されていれば登録成功です。
一覧に表示されている意味は以下の通りです。
- デバイス ID
- DSN と呼ばれる一意の番号です。 AWS IoT 1-Click 対応デバイスには SORACOM LTE-M Button の他に AWS IoT エンタープライズボタンといったものがありますが、それら全てにおいて一意になる番号です。
- タイプ
- デバイスの形状を表します。現在は
button
のみです。
- デバイスの形状を表します。現在は
- デバイスリージョン
- デバイスが管理されているリージョンです。現在のところ利用者はリージョンを選ぶことができず、オレゴン(us-west-2) 固定となります。
- 有効
- 有効 もしくは 無効 です。初期状態は 無効 です。 有効 は課金対象デバイスです。 無効 にする方法は SORACOM LTE-M Button を無効化する をご覧ください。
- プロジェクト、配置
- ボタンに紐づいた機能(Lambda 関数)の状況です。初期状態は双方とも 未割り当て です。
- ヘルス
- ボタンの寿命です。詳しくは後述する ボタンの「ヘルス」について をご覧ください。
登録したボタンの右にある […] をクリックした後、[デバイスの有効化] をクリックします。
これでボタンが利用可能な状態になりました。
ボタンを登録解除したい場合
登録したボタンは解除することができます。主に別の AWS アカウントへ再登録する際に利用する機能です。
登録解除方法は SORACOM LTE-M Button を AWS IoT 1-Click から解除 をご覧ください。
AWS IoT 1-Click の費用を抑えたい場合は解除ではなく “無効” にすることで実現できます。詳しくは 料金について をご覧ください。
ボタンの「ヘルス」について
ヘルス に表示されている % は 1 - 押下回数 / 1500
もしくは 1 - 開始日からの経過日数 / 365
のどちらかで小さいほうが表示されます。
SORACOM LTE-M Button においての ヘルス は電池残量ではありません。(他のモデルでは電池残量である場合がありますが異なりますのでご注意ください)
押下回数、開始日からの経過日数、電池残量を具体的に管理したい場合は SORACOM LTE-M Button を SORACOM に登録することで SORACOM ユーザーコンソールおよび API で確認することができます。
SORACOM への登録の方法は SORACOM LTE-M Button を SORACOM へ登録する をご覧ください。
注意:貸し出しの方は SORACOM への登録しないでください!
作業2: AWS IoT 1-Click で Email 送信設定を行う
AWS マネジメントコンソールのリージョンが オレゴン (us-west-2) になっている事を確認します。
なっていなければ オレゴン に切り替えてください。
AWS IoT 1-Click コンソールから [管理] > [プロジェクト] を開いた後 [プロジェクトの作成] をクリックします。
プロジェクト情報の指定で以下のように入力した後 [次へ] をクリックします。
- プロジェクト名:
TestEmail
(任意の文字列)
プロジェクトのプレイスメントのテンプレートの定義では以下のように設定した後 [プロジェクトの作成] をクリックします。
- デバイステンプレートの定義 の [開始] をクリックします
- テンプレートのデバイスタイプを選択する 一覧で すべてのボタンタイプ をクリックします
- 表示されたフォームを下記のように設定します
- デバイステンプレート名:
Email
(任意の文字列) - アクション: E メールの送信
- デバイステンプレート名:
- プレイスメントの属性 を以下のように設定します
- 必須の E メールのデフォルト値: {ボタンで送信したい先の E メールアドレス}
- 必須の件名のデフォルト値:
テスト送信
(任意の文字列) - 必須の本文のデフォルト値:
SORACOM LTE-M Button のテスト送信
(任意の文字列)
プロジェクトとテンプレートが正常に作成されたら [プレイスメントの作成] をクリックします。
プロジェクトの新しいプレイスメントでは以下のように設定した後 [プレイスメントの作成] をクリックします。
- デバイスのプレイスメント名:
button1
(任意の文字列) - [デバイスの選択] をクリック
- ボタンの一覧が表示されます。結び付けたいボタンをクリックします。
- プレイスメントの属性は特に編集することはありません
- 先に作成した「テンプレート」で設定した内容が引き継がれています
- 逆にここでテンプレートから引き継がれた内容を上書きすることも可能です
以下のような画面になれば完了です。
バックボタン (←) をクリックして AWS IoT 1-Click コンソールに戻ります。
作業3: Amazon SES で送信先 Email の認証を行う
Amazon SES (Simple Email Service) のコンソールを開きます。
[サービス] をクリックした後、検索窓に ses
と入れるか、 “カスタマーエンゲージメント” カテゴリの中の Simple Email Service をクリックしてください。
AWS マネジメントコンソールのリージョンが オレゴン (us-west-2) になっている事を確認します。
なっていなければ オレゴン に切り替えてください。
[Email Addresses] をクリックした後、[Verify a New Email Address] をクリックします。
フォームに以下のように入力して [Verify This Email Address] をクリックします。
その後表示されたダイアログは [Close] をクリックします。
- Email Address: {ボタンで送信したい先の E メールアドレス}
直後の状態は以下の通りです。pending verification と表示されている事を確認してください。
メールソフトを開き、下記のようなメールが届いている事を確認したら、メール本文内の URL をクリックしてください。 (クリックした後は削除してしまって構いません)
クリックすると「検証に成功しました」というページが表示されます。
Amazon SES コンソールに戻り [リロードボタン] で表示を更新した後に verified と表示されている事を確認してください。
そうでない場合は resend をしてメールを再送するか、もしくは別のメールアドレスで再度同じ手順を行ってください。
(もしメールアドレスを変更する場合は、ステップ3が終わったら再度 AWS IoT 1-Click コンソールからテンプレートに設定したメールアドレスを変更する必要があります。)
作業4: SORACOM LTE-M Button からメールを送信してみる
ここまでの作業で AWS IoT 1-Click を通じて Amazon SES 経由でメールが送信されるようになりました。
実際に SORACOM LTE-M Button を押してみてください。
以下のようなメールが届いたら成功です。
ボタン押下の内容に応じて SINGLE
の部分が DOUBLE
や LONG
に変わりますので試してみてください。
メールが届いたらこの章は終了です
メールが届かない場合は トラブルシューティング をご覧ください。
まとめ
- AWS マネジメントコンソールを通して AWS IoT 1-Click へのボタンの登録方法
- テスト環境としての Email の設定
次へ進む
- メールの内容を変えてみる へ進む
- 目次に戻る
トラブルシューティング
メールが届かない
- 原因: メール受信側で「迷惑メール」として判定されている可能があります
- 対策: お使いのメールソフトの「迷惑メールフォルダ」を確認してみてください
- Amazon SES の管理画面上から Send a Test Email をしてみて、届くか確認してください。
- Amazon SES 上で verified となった事で「送信先」としては認証できましたが、受信側がどのように判定するかは制御できません。特に Gmail ですと高確率で迷惑メールとして判定されるようです。